局所自明な話 (Locally Trivial)

局所的に自明でも大域的に自明とは限らない!どうなるか見てみよう。

ε-δ論法と微積分の基礎,そして超準解析

大学での微積分ではε-δ論法というのが出てきます。
「任意の正の数εに対して、ある正の数δが存在して、…」というものです。
これは、曖昧なところがあった微積分を厳密化することに成功した素晴らしい成果だと思います。

一方で、自然科学や社会科学への応用という観点からすると、少し奇妙です。
個数や金額のような離散的なもの、時間や空間のように連続的なのか離散的なのかわからないもの、に対しても微積分を適用し、有効であることがわかっているからです。

結局、微積分はε-δ論法以外の方法でも基礎付けられるのではないでしょうか?
超準解析とかがその答えでしょうか?

 

 

超準解析と物理学(増補改訂版) (数理物理シリーズ)

「圏論的集合論」

圏論にはだいぶ前から興味がありますが、なかなか理解が進みません。
最近、 西郷・能美「圏論的集合論」 を入手しましたが、初歩から説明していて、なかなか良さそうです。

なぜか章にタイトルがありませんが、適当に付けると以下のようになると思います。

  1. 序論
  2. 積,解
  3. 引き戻し,有限極限
  4. 双対性,余積,冪
  5. 関手
  6. 随伴
  7. 射圏,極限
  8. 分配法則,カルテジアン閉圏
  9. トポス
  10. 集合圏
  11. トポス 再訪
  12. スライス圏,トポスの基本定理
  13. 論理の初歩
  14. 量子化,双対圏,反変関手,米田埋め込み

集合圏とは、”well-pointedで選択公理をみたし自然数対象を持つトポス” のことだそうです。

線型代数対話 第1 巻 圏論的集合論 集合圏とトポス

「数学原論」

Kさんに紹介された 斎藤毅「数学原論」 を入手しました。

1つ1つの章が1冊の入門書に相当するような感じです。

第1章が圏論なのが、ハードルが高い…。

あとがきによると、ブルバキの当初の目的は「微積分の新しい教科書を書くこと」、きっかけの1つは「ストークスの定理の現代的な定式化」だったそうです。

数学原論

岩波数学辞典

Tさんに岩波数学辞典は良いかと尋ねたところ、「数学科の大学院生にとって非常に効果的!」という返答でした。

そこで自分も入手しましたが、今のところ活用できていません。

でも、そろそろ役立つかも。

岩波 数学辞典

数学入門辞典

岩波 数学入門辞典

有限群の表現論の動画

有限群の表現論の動画を紹介してもらいました。

「基礎数学からの展開A」全7回 雪江 明彦 理学研究科教授(2015年度) - YouTube

雪江先生の本 代数学3 代数学のひろがり にも、第5章 表現論入門 があります。 目次は以下の通りです。

  • 5.1. 表現の指標
  • 5.2. 可換群の場合
  • 5.3. 既約表現の例
  • 5.4. 誘導表現

代数学3 代数学のひろがり

「接続の微分幾何とゲージ理論」ゼミ

某所で、 小林昭七「接続の微分幾何とゲージ理論」 のゼミが行なわれています。

あれこれ検討しながら進めているのを、動画で見ています。

なかなか難しく、すべてのステップをフォローしているわけではありませんが、一応話についていっています。

今は、第2章の主ファイバー束の接続(水平部分空間の方法) のあたりです。

目次:

  1. 多様体
  2. 接続
  3. リーマン幾何
  4. 特性類
  5. Yang-Millsの接続
  6. 4次元多様体上のYang-Millsの接続

接続の微分幾何とゲージ理論

副読本

ゲージ理論・一般相対性理論のための 微分幾何入門

統計的因果推論

同僚のSさんと、 岩崎学「統計的因果推論」 を一通り読みました。
比較的読みやすい、良い入門書だと思いました。

  1. 基礎的事項
  2. 群間比較の統計数理
  3. 統計的因果推論の枠組み
  4. 傾向スコア
  5. マッチング
  6. 層化解析法
  7. 重み付け法
  8. 操作変数法とノンコンプライアンス
  9. ケースコントロール研究
  10. 欠測への対処

しかし、まだ実務にはいかせていません。

データサイエンティスト協会のスキルチェックリストには因果推論が含まれています。
https://www.datascientist.or.jp/symp/2021/pdf/20211116_1400-1600_skill.pdf

統計的因果推論 (統計解析スタンダード)